東日本大震災は岩手、宮城、福島、茨城などの人々の生活や経済に、甚大な被害をもたらしただけではなく、日本経済全体をも痛撃した。東北の電子部品の生産拠点が次々に破壊され、自動車や電機、精密機械などの生産に欠かせないサプライチェーンが寸断されて、影響は全世界へと波及した。
止まったのは、モノの流れだけではない。ヒトの動きにも、大きなブレーキがかかった。各地の観光地は、大型連休を迎えても、例年の客足に比べ、大きな落ち込みをみせた。海外からの来日者数も減った。背景に、福島原発の大事故に対する強い懸念がある。むしろヒトの流れのほうが、連休前から復旧の兆しをみせ始めたモノの流れよりも、事態は深刻かもしれない。
当然、航空会社も打撃を受けた。大震災直後から国内外への旅客数は2~3割も減り、稼ぎ時の連休中も空席が目立った。前身の日本ヘリコプター輸送の設立以来59年目にして、ついに日本航空の国内・国際線の総旅客数を抜き去り、日本一の航空会社として意気上がる全日空(ANA)も、この危機と無縁ではない。
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