73年にチェーン展開を開始して以降、吉野家は急激に店舗数を増やしてきた。71年、安部社長が吉野家でアルバイトを始めた頃は、まだ5店舗目を開店したばかりだったが、77年には国内100店舗を突破、78年には200店舗突破と、まさに破竹の勢いだった。

当時の吉野家の店舗拡大の手法は、専ら借地とリースによって出店するというものだった。不動産価格の上昇を見込んで土地を購入し、値上がりした土地を担保に新たな融資を受けて次の土地を購入するという、当時、多くのチェーン店が採用していた手法を吉野家はとらなかった。言い換えれば、固定資産の取得をほとんどしなかったわけで、このことをもって、吉野家はバランスシートの軽い経営を志向してきたと見る向きがある。
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