「仕事に役立つ読書会」と題して開催された、プレジデントウーマン初の読書会イベント。記念すべき第一回は、『イオンを創った女 評伝 小嶋千鶴子』の著者である東海友和さんをお迎えして、ディスカッションを深めました。小嶋千鶴子さんはイオングループ創業者・岡田卓也さんの実姉で、イオングループの基礎を築いた陰の功労者。現役を退いてから約40年、104歳を迎えてなお勉強熱心で、OBが訪れれば「あなたの今年の目標は何? 私の年になるまであと20年、何をしたいの? 勉強はしているの?」と叱咤激励するといいます。そんな小嶋さんのいちばん近くで人材教育を学んだ東海さんとともに、人生100年時代の生き方、働き方を考えました。

イオンを創った女は、理念をはっきりと言語化し、実行した

読書会は、東海さんの講演からスタート。課題図書、『イオンを創った女 評伝 小嶋千鶴子』とその続編『イオンを創った女の仕事学校 小嶋千鶴子の教え』をじっくり読み込んで参加された皆さんにむけ、本には書ききれなかったエピソードも交えながら、イオンの先進的な取り組みの裏にあった小嶋さんの人物像が語られました。

読書会は東海さんの講演からスタート。
読書会は東海さんの講演からスタート。
40人を超える読者の方にお集まりいただきました。
40人を超える読者の方にお集まりいただきました。

小嶋さんが家業の岡田屋呉服店を継ぎ、社長に就任したのは23歳のとき。10歳年の離れた岡田卓也さんを当主にすると決め、次々と会社の人事制度、基盤づくりを進めていきます。けれど、小嶋さん自身には「自分が女性である」という特別な意識も、「女性を引き上げよう」という意図もなかった、と東海さん。

「小嶋には、自分が女性だから女性を用いる、という考え方はないんです。はじめから、今でいうダイバーシティ。学歴も国籍も貧富も関係ない。経営者というのは非常に合理性がありますからね、女性がいいか、男性がいいかではなく、役に立てばどっちでもいいわけです。でも、女性のほうが勉強熱心な人が多いから、男性が追い越されていくんですよ」