友人がデジタルカメラを買い替えたという。購入したのは中堅家電量販店N。少し足をのばせば安さがウリの大手Y電機があるが、最近はもっぱらNを利用しているという。なぜなのか。

彼がNを支持しているのは、「商品説明が丁寧で、気持ちよく買い物ができるから」。デジタル家電に限らず、電器製品は機能が複雑化し、よりよいものをと考えれば、メーカーごと、機種ごとの比較検討も必要。よほどの電器好きでなければ、面倒になってしまうことさえある。なるほど、プロである店員がニーズを汲み取り、適した製品を勧めてくれれば、安心して購入できる。オタクといっては語弊がありそうだが、電器製品が心底好きな店員が対応してくれれば、商品知識も増え、いい買い物をした気がするものだ。

一方のY電機では、広いフロアにまばらなスタッフがいるだけで、相談しようにも遠くまで呼びに行き、接客中なら所在なく待っていなければならない。これはお金を出す側にとって、決して気持ちのいいものではない。やっと店員をつかまえても、聞かれたことに答える程度で、客を喜ばせるようなプレゼンテーションもない。買うという目的は果たせても、気分の高揚は望めない。人件費を下げれば経営が効率化するという、財務分析の落とし穴にはまっているケースだろう。

(高橋晴美=構成 ライヴ・アート=図版作成)