「私にできること、探しています」
「向こう3軒両隣のおつきあいは、男性おひとり様生活には必須です」
そう語るのは、シニアライフアドバイザーの松本すみ子氏だ。
「例えば阪神淡路大震災のとき、瓦礫の中から助け出された人の7割は、ご近所さんに助けられています。ご近所に顔を知られていなければ、災害時に安否を気にかけてももらえません」(松本氏、以下同)
日頃のあいさつは言うにおよばす、町内会や自治会のイベントなどで、ご近所との交流は深めておくべきだ。職場と自宅の行き来のみだった独身男性が居場所を見つけるには、とにもかくにも頭を低くして、「自分から行動する」ことが求められる。
「“きょういく”と“きょうよう”、『今日、行くところ』と『今日の用事』を心がけましょう。おひとり様は引きこもりがち。朝、その日行くところとやりたいことを、何でもいいから手帳に書き込み、実行するのです」
そこで有用なツールは、ほかならぬ名刺だ(図参照)。社名・役職の代わりに自分のやりたいこと、興味のあること等々を記入するのがキモだが、与えられた仕事や肩書をアイデンティティとしてきた多くの男性は、ここの書き込みに四苦八苦する。