当時、40歳手前の僕は、「なんと! その年齢でそんなこというのか。今からいくらでもやり直せるのに。ていうか、その言葉。普段うちに来る30代、40代の相談者さんと、全く同じ言葉や……」と心の中でつぶやきました。

100歳まで生きると言われる時代、女子高生が年齢を言い訳にするのであれば、80%近くの人が年齢を言い訳にするといっても、決して過言ではないでしょう。これはもう、「若ければ症候群」といってもいいかもしれません。

ダンスも種類によっては、幼いときから英才教育を受けていないと、難しいものがあるのかもしれません。それでも僕と同年代の人は、「その年齢でそんなことをいうのか」と思ってしまうはずです。

僕のカウンセリングルームに来る相談者さんは、20代後半から40代後半の人が多いです。50代の方はちらほら。60代の方はごくまれにという感じ。

そして、どの年齢の方も共通しておっしゃる言葉。それが、「もうこんな歳だから……。もっと若いときからやっていれば……」。これは僕が天職探し心理学をはじめて15年。本当に変わらずに、どの相談者さんもおっしゃいます。

そして、ちょっと意外な事実。50代、60代になると、「もうこの歳になると、年齢なんて気にしても仕方がないですよ!」と、達観して来る方が少しずつ出てこられます。もちろん50代、60代でも、「若ければ症候群」の方が圧倒的に多いですが、歳をとることで「若ければ症候群」を克服する人が出てくるというのは、なんとも興味深い現象です。

40代は、人によって考え方が大きく変わる

逆に、一番、年齢を気にしているのが、20代後半から30代半ば。胸を張って若者とはいえず、中年というにはまだ早い。10代のように、何も考えずにいられる余裕はない。でも、50代、60代のように達観するにはほど遠い。だからこそ、悩んでしまう。

また、恋愛、結婚、子育ても、十分に可能性があるだけに、仕事で新しいチャレンジをするべきかどうか、悩んでしまう。それを考えると、この世代が一番年齢を気にするのも、当然です。

ちなみに40代は、人によって大きく変わります。もちろん、年齢を気にする人もたくさんおられます。でも、「今まで、人生を無駄に過ごしてしまった……!」と、残されている時間は限られていると気づき、動きだす人もいます。