なんにせよ、今の日本では「借金は全部返しなさい」という一般市民の強迫観念が、うまく利用されているのです。貨幣の利用者なら確かにそうですが、貨幣の供給者である政府はそれじゃ駄目。ある程度負債を抱えて、貨幣を供給する状況を保障しておかないと貨幣、ひいては経済が回らないんです。

聞きたくないものは聞こえない

こうしたことに気づくことのできぬ今の日本は、国家全体が昏睡状態に陥っているといっていい。財務官僚はこのあたりをどう考えているのでしょうか。心理学でいうと、人間には見たくないものは見えない、聞きたくないものは聞こえないという強力な認知バイアスがあります。これまで消費増税が国家にとって必要だと繰り返し繰り返し主張し続けてきた財務官僚は、そうじゃないという事実を知ることを潜在意識の中で恐れていると思います。その自己防衛上、我々の主張は一切目と耳に入らない。そういう恐ろしい心理メカニズムがあるんです。

他の組織に出向した財務官僚と話が合うこともあります。でも、「今だけだからね。東京に戻ったら全部反対するからね、藤井さん」とよく言われました(苦笑)。

今の財務省は、誰もが負けると腹の中で思いながら威勢の良い嘘を言い続け、結局、日本を破滅に導いた第2次大戦時の大本営さながらです。このままだと、日本経済は衰弱していくほかありません。だから今必要なのは、世間の空気や「大本営発表」に惑わされず、勇気を持って正しく適切な議論を声高に主張していくことなのです。

ちなみに今、僅かなりとも興味深いのは、消費税に関して学術的・客観的な視点から主張したれいわ新選組が2議席を取ったこと。消費増税反対が響く国民は皆無ではありません。この現象がどう動いていくかが1つのカギだと思います。

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(構成=西川修一、久保田正志 写真=iStock.com、時事通信フォト、共同通信イメージズ)