夏場だとシャワーだけですます人もいるかもしれませんが、できれば39度ぐらいのぬるめのお湯に10分以上浸かって体を温め、眠気を誘導してください。エアコンは除湿モードで27度ぐらいに設定し、深夜2、3時に切れるようにしておくと快適に眠れます。体に風を直接当てないよう扇風機やサーキュレーターを併用してもいいでしょう。
夫婦別々で寝るには工夫が必要
プレゼン前はゆっくりしたいから夫婦別々で寝る、という場合は、普段から工夫が必要です。妻の寝相が悪い、鼾や歯ぎしりがうるさいのであれば、プレゼン前に言うのではなく、日頃から話し合って「別々に寝る日を設ける」とよいでしょう。いきなり別々に寝ると宣言すれば、思わぬ波風や誤解が生じることがありますから。やはり「普段やっていないことはやらない」ことです。
私がおすすめしているのは、寝る前の“入眠儀式”です。スポーツ選手のルーティン(決まりの所作)と同様ですが、あまり複雑でなく、簡単でゆるい感じのものがいいです。私は毎晩、白湯を飲んで戸締まりを確認することで「さあ寝るぞ」という気持ちになります。
意外に多いのが「起きられない」という悩みです。目覚まし時計の効果を上げるには、スマホや時計をすぐに消せないよう、遠くに置くなど「置き場所」に工夫を凝らすことです。鏡の前なんかはいいですね。人間は自身の姿を見ると脳が活性します。その際、併せて朝起きたてに太陽の光を浴びて、体を目覚めさせてください。
前夜の過ごし方に限らず、睡眠で悩む人は「0か100か」という極端な思考に陥りがち。真面目な人が多いんです。睡眠を「べき論」で考えず、時には「眠れなくなる日もあるさ」くらいの気持ちになれば、楽になれると思います。
(構成=篠原克周 撮影=初沢亜利)