30歳でNTTを辞める

入社5年目くらいで「ぷららネットワークス(現・NTTぷらら)」というインターネットプロバイダーに出向しました。いまの会社の仕事をしているのは、このときにネットビジネスの走りのような事業を自分が主体になって回した経験が大きいかもしれません。

仕事は、プロバイダー会員に対するEC(イーコマース)の提供で、物販だけでなく、映像配信やコンテンツ提供、ファンクラブ運営、オンラインチケット、キャンペーンプロモーションなどのインターネットビジネスに関わるあらゆることを経験させていただきました。トライ&エラーの連続で、完璧に仕上げたはずの企画書が机上の空論だったこともありました。物事はなかなか上手くいかない、ということを身をもって知りました。今から20年前はネットでモノを買う文化もまだ浸透しておらず、少し「早すぎた」のかもしれません。ただ、学びは多く、面白いビジネスでした。

当時から頑張っていた楽天やヤフーに加え、ゾゾタウンやアマゾンも参入してネットショッピング隆盛の今の時代はうらやましくもあります。

本格的な起業を見据え、NTTを辞めたのは30歳のときでした。ニューフォリアの前身の会社を友人と立ち上げました。私は取締役COOでした。ECの運営代行と、ホームページの制作受託を行う傍らで、映像や音楽をネット配信するサービスにチャレンジしましたが、Youtubeもない2004年当時、ビジネスモデルを作ることができませんでした。著作権管理を過剰に気にしすぎたりもして、映像配信事業の難しさを痛感しました。4年くらいやりましたが思うように成長せず、「このままではうまくいかない、次にシフトしよう」と考えました。

起業はやりたくなったらやるべき

そして現在のニューフォリアをスタートさせました。35歳のときです。インターネットを軸にして新技術を取り入れた事業は今後さらに拡大していける、と思っていました。

「社長業はある程度経験値がないと難しいだろう」と漠然と思っていましたが、いざやってみると何もかもが初めてすぎて、これはいつ始めても変わらないな、と思いました。ですから、ベンチャーをやってみたい学生には「いつ始めてもいいと思うよ」とアドバイスしています。

私は大学で経営学を少しかじり、社会人経験も積みましたが、自分で経営を始めてみるとそれまでの知識はほとんど役に立ちませんでした。経営者になるのに、年齢や経験は関係ないと感じます。自分に足りないところは他人を入れて助けてもらえばいいですし、準備万端で始めればうまくいくわけでもない。

当時から他社さんより少し新しい技術を使い、少し先のこと、面白いことに会社としてチャレンジしていきたいと考えていました。この考えは今も変わりません。