返済額に利息分も含まれる通常の返済の場合とは異なり繰り上げ返済では、返済分がすべて元金の返済に充てられます。それによって、支払う利息が軽減できます。
繰り上げ返済には、繰り上げ返済分で期間を短くする「期間短縮型」と、期間は変えずに返済額を減らす「返済額軽減型」があります。繰り上げ返済を行うなら、時期は早め、金利は高め、残返済期間が長いもの、残債の額が多いもののほうが効果は大きくなります。
利息軽減効果は「期間短縮型」が大きいですが、収入が減る、または支出が増えると見込まれる家計であれば、「返済額軽減型」が向きます。
ただし、計画的に貯めて行う繰り上げ返済であれば問題ないですが、例えば教育資金用の貯蓄を返済に回すというような繰り上げ返済の仕方は問題です。
また、住宅ローンを借りている人は通常、団体信用生命保険に加入しているため、借入者に万一のときは住宅ローン残債が保険で相殺されて家族に住宅は残ります。借入者が40代後半以降の世帯では、これを保障の一部と考えて、繰り上げ返済をしない選択をするご家庭もあります。
2019年の一手:固定金利型に借り換えるなら、そろそろ要注意
豊田眞弓(とよだ・まゆみ)
ファイナンシャルプランナー
All Aboutガイド。住宅ローンや家計、保険等の相談を主に、講演や企業研修、セミナー、執筆でも活躍。『住宅ローンは55歳までに返しなさい!』など著書は多数。
ファイナンシャルプランナー
All Aboutガイド。住宅ローンや家計、保険等の相談を主に、講演や企業研修、セミナー、執筆でも活躍。『住宅ローンは55歳までに返しなさい!』など著書は多数。
(構成=吉田茂人 撮影=榊 智朗 写真=iStock.com)