パワハラ管理職をとっちめるための「対策」
一方で、管理職などからパワハラを受けた部下はどのように対応すればよいのでしょうか。前述の(1)で、パワハラに対して何も対策が講じない従業員が多いことを指摘しましたが、パワハラの解決については慎重な行動が必要です。
筆者が今回の記事のために実施したインタビューでは、勤務先のパワハラ対策について以下のような意見が出ました。
「社内アンケートは実施されているが、パワハラの事実を正直に答えられる雰囲気ではない」
「セクハラは問題視されるが、パワハラはそれに比べると重要視されていない」
「パワハラについて、きちんと事実関係を調査する姿勢が必要だと感じる」
パワハラは、セクハラと異なり、長期的かつ継続的に行われていないと企業側が問題として対処してくれない可能性があるため、将来、事実関係の調査が行われる段階に備えて記録を取っておくことが必要です。
一方、企業側の対応次第では、パワハラ行為の通報後会社にいづらくなる場合もあります。パワハラで悩む場合は、都道府県労働局などの国の無料の相談窓口もありますので、十分に情報収集して納得できる解決策を見つけた上で行動することが大切だと考えます。
上下関係を問わず、自由闊達に意見が言える理想の組織
パワハラが発生した際には、再発防止策や意識啓発なども重要ですが、そもそもパワハラが発生しないような組織風土づくりが何よりも大切です。上下関係を問わず、自由闊達に意見が言え、注意しあえるような良好な人間関係の構築ができれば、パワハラの発生は減るでしょうし、発生しても解決しやすくなると考えます。
そのような職場の風土を作るためには、例えば、休憩時間などのコミュニケーションの機会を増やす、プライバシーに立ち入り過ぎない配慮を持ちつつ個人の意見に耳を向ける、など一人ひとりが「コミュニケーションの量と質」を意識するだけでも、良い変化が生まれるのではないでしょうか。