※本稿は、メンタリストDaiGo『倒れない計画術』(河出書房新社)を再編集したものです。
年間約1億円の出演オファー
最近、私のところに某IT企業から1日15分生放送する帯番組へのレギュラー出演のオファーがありました。
・可能な限り、365日毎日出演してほしい
・ギャランティーは1回の放送で30万円
年間で約1億円になる好条件のオファーでした。
出演時間は15分ですから、本の執筆、コンサルティング業務、講演活動も並行可能です。思わず飛びつきたくなりましたが、「でも、待てよ」と。私はとある原則に照らし合わせて、オファーを受けるべきかどうか検討することにしました。
現時点で最もエビデンスのあるゴール設定方法「MACの原則」
その原則とは、「MACの原則」です。
これまで心理学、行動経済学、脳科学などの分野で目標設定やゴールの設定方法について、さまざまな研究が行われ、あまたの手法が紹介されてきました。
優れた研究成果もあれば、「それは実験でしかうまくいかないのでは?」という内容の論文もあります。そんな数々の先行研究のうち、評価の高い38件の論文を集め、メタ分析。現在のところ最も効果的なゴールの設定方法とされているのが、アイントホーフェン工科大学の研究チームがまとめた「MACの原則」なのです。
ちなみに、メタ分析というのは複数の先行研究の結果を統合し、さらに分析した「論文の論文」のようなもの。現時点で最もエビデンスのある研究成果であり、最強の段取りのための段取り方法だと言えるでしょう。
メジャラブル、アクショナブル、コンピテント
そんな「MACの原則」は、M、A、Cの3つの要素から成り立っています。
M=Measurable(メジャラブル)測定可能性=目標(ゴール)が数字として測定可能なこと
A=Actionable(アクショナブル)行動可能性=目標(ゴール)を正確に把握し、そこにたどり着くまでのプロセスを明確に書き出せること
C=Competent(コンピテント)適格性=目標(ゴール)を達成することが、自分の価値観に基づいていること
使い方は簡単です。
あなたが何か目標を定め、段取りをつけようとするとき、この3つの視点から「取り組むべき目標が、本当にあなたが取り組むべき目標かどうか」をチェックしていきましょう。
例えば、「自分がプロジェクトリーダーとして取り組んでいるイベントを成功させる」「彼氏彼女をつくりたい!」といった目標があったとしましょう。
それぞれの目標達成に向けて段取りを立てていく前に、一度、「MACの原則」に照らし合わせていくわけです。