風疹のコントロールには首相のリーダーシップが必要

風疹の流行について新聞社説は、最初に日経新聞がテーマに取り上げている。

9月13日付の社説で「検査とワクチンで風疹を防げ」との見出しを掲げ、「国や自治体は感染が目立つ成人男性の検査と予防接種を促すよう、対策を急ぐべきだ」と主張している。

日経社説は「政府は東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年度までに国内の風疹をなくす目標を掲げる。だが、このままでは目標達成はおろか、20年ごろに流行がピークとなる恐れすらある」とも指摘する。

しかし感染症のコントロールは前述したようにかなり難しい。覚悟を決めてかからないと、風疹は制圧できない。

安倍首相自らが先頭に立って抗体(免疫)検査を呼び掛け、抗体がない人に必ずワクチンを接種するよう求めていかない限り、日本から風疹はなくならない。一時的に制圧できたとしても、海外から入ってきて流行を繰り返すことも考えられる。

流行の背景には、国や自治体の予防策がちぐはぐさ

日経社説はワクチン接種や抗体検査の問題点も指摘する。

「乳幼児期の2回の定期接種が導入される前の世代は受けていない人も多い。30代後半~50代の男性の2割前後は、ウイルスに対する抗体をもたない」
「この比率は過去10年ほど下がっていない。抗体検査が広がらないうえに、費用が数千~1万円程度かかるため、ワクチン接種を受けない人が多いからだ」
「国は自治体を通して、成人の抗体検査の費用を補助している。しかし自治体によっては、対象は妊娠を予定または希望する女性のみで、夫や同居男性を含まない」
「ワクチン接種に対する補助も、自治体によって独自の制度があったりなかったりする。流行の背景には、国や自治体の予防策がちぐはぐで十分な効果をあげていないことがある」

やはり問題の根幹には行政の不備が存在している。沙鴎一歩は、安倍政権がそこに早く気付くことを強く望む。だが、勝利に有頂天の安倍首相には無理だろう。