AIに置き換えられない仕事は、必ずある

いま、重要なことは2つあります。

野口悠紀雄『「超」独学法 AI時代の新しい働き方へ』(角川新書)

1つは、AIに置き換えられない仕事を探すことです。AIの技術が急速に進んだとはいえ、汎用AIが登場したわけではありませんから、AIが代替できるのは一部の分野に限られます。AIに置き換えられない仕事は、必ずあります。

もう1つ、非常に重要なのは、AI化が進むことによって、価値が上がる仕事を見いだすことです。人間の仕事がAIに置き換えられると、社会に変化が生じ、そこでは、人間にしかできない仕事の価値は、相対的に上がります。

AI時代には、問題意識の重要性がますます高まります。「私が知りたいことは一体、何なのだろうか?」あるいは、「私がすべきことは一体、何なのだろうか?」ということが重要なのです。

新しい勉強の時代が到来し、社会人であっても、すべての人に勉強が必要となっています。勉強のスタート地点に立っているのなら、「何を知るべきかという方向を決めること」が、何よりも重要な課題であることを認識することです。

野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)
早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業。64年大蔵省(現・財務省)入省。72年イェール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て2017年9月より早稲田大学ビジネスファイナンス研究センター顧問。一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。ベストセラー多数。Twitterアカウント:@yukionoguchi10
(写真=iStock.com)
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