給料から天引きのドルコスト平均法で着実に貯めていく

老後資金の積み立てに最適の商品
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老後資金の積み立てに最適の商品

資産づくりの基本は積み立てだ。「余ったら貯金しよう」と思ったら決して貯まらない。特に老後資金の場合は使うのがずっと先なのでつい後回しになりがちだが、老後資金専用の積立口座をつくるくらいの決意で臨みたい。

積み立てには、給与振込口座から自動的に引き落とされる商品を選ぶこと。手間がかからず強制的に貯められるのがポイントだ。そして何よりも、積み立ては早く始めるのがもっとも重要。その意味で、給与振込口座のある銀行で自動積み立てを行うのはおすすめだ。また、会社の担当窓口で申し込む財形貯蓄も、引き出しにくいから貯められる、という利点がある。

投資信託は、毎月一定額を長期にわたって購入することで、安定した収益を得られる効果がある。給与振込銀行で扱っている投信積み立てを利用してもいいし、証券会社の投信積み立てなら扱っているファンドも多い。ただし、銀行口座から自動引き落としできない証券会社もあるので注意しよう。

現在の資産が日本円の預金だけ、という人は、積み立ての一部に海外に投資するファンドや外貨MMF(マネー・マーケット・ファンド)を取り入れるといいだろう。

リスクを取りたくないなら
少しでも利息が高いネット預金や社債を活用

資産運用のベースとなるのは、元本保証型の商品。とはいえ、普通預金の利率は、現在年0.04%。どんなに節約して普通預金の残高を増やしても、運用効果は得られない。

そこで最近、人気を集めているのがネット定期預金。たとえば、1年で年0.8%の定期預金なら、100万円を預ければ8000円の利息がつく。ネット上でしか管理できない点に不安を感じる人もいるが、ネットに慣れているビジネスマンなら抵抗は少ないだろう。入出金時に手数料がかからないよう、指定の提携ATMを使うのがポイントだ。また、一つの銀行に預けるのは預金保険の範囲内である1000万円以下にしておこう。

老後資金のベースになる元本保証型商品
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老後資金のベースになる元本保証型商品

昨年夏まで人気のあった国債は、ここへきて魅力が薄れている。一方で注目を集めているのが個人向け社債だ。債券市場の機能低下で発行が増えているという面もあるが、3年で1%以上という金利は見逃せない。ただし、国債と違って発行企業の破綻リスクがあるため、電力会社など安定性の高い企業の債券を選びたいところだ。

なお、債券投資は利息を使ってしまうと意味がない。利息はMMFなどに貯めて、再投資するといいだろう。