ヒロインが生きる1971年~2020年の経済状況をおさらい

設定では、主人公が生まれたのは1971(昭和46)年。今、46歳か47歳ということになります。つまり、このドラマを見ていくと、昭和から平成への時代の移り変わりがよくわかるのです。視聴者自身が生きてきた半生を振り返り、その全体像を俯瞰して見ることができます。

ヒロイン楡野鈴愛を演じる永野芽郁さん

その意味で、今回の「半分、青い。」は主人公のキャラクターやストーリーを楽しむだけでなく、各時代の経済状況をおさらいすることもできるのかもしれません。そこで、高度成長期以降の日本経済の状況を私の目線でお話したいと思います。ドラマの予習・復習に役立つミニ経済史となるかもしれません。

主人公・楡野鈴愛が誕生する7年前の1964(昭和39)年には東京オリンピックが開催されました。それに合わせるように、東海道新幹線、東名・名神高速道路、首都高速、地下鉄日比谷線などが開通し、一気に交通インフラが整備され利便性が飛躍的に向上し、日本の高度経済成長を加速させました。これがドラマの前提となります。

▼株価3万8915円「バブル期」に高校時代を過ごす

そして71年。鈴愛は大阪万国博覧会が開催された翌年に生まれました。この頃の日本経済は高度成長期の最終期で、雰囲気としては数年前までの中国に似た活気あふれる状況です。

その高度成長は、1973年の「第一次オイルショック」で終わりを迎え、日本経済は成長スピードを鈍化させ、成熟期に入ります。そして、80年代後半にはバブル期を迎えます。

鈴愛は、そんなバブル期に高校時代を過ごします。現在10代や20代の若い世代には感覚として分かりにくいかもしれませんが、1986年あたりから90年くらいまでの間がバブル期で、一気に経済が拡大する時代でした。

現在、日経平均株価は2万2000円を少し超えた程度ですが1989年末には3万8915円をつけ、都心の土地が短期間に数倍に値上がり、例えば、名門ゴルフクラブ「小金井カントリー倶楽部」の会員権が4億円をつけるなど、まさに「バブル」というべき経済状況を呈しました。