未来は「見える人」と「見えない人」がいる

未来は「見える人」と「見えない人」がいる。5Gのもたらす未来は、私には見えなかったが、見える人もいるのだろう。2015年の「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)上海」で、LGユープラスCEOでLGグループ副会長のイ・サンチョル博士はこう言っていた。

「IoT(モノのインターネット接続)の次に来るのは、IoTh(思考のインターネット接続、Internet of Thinking)であり、その次はIoB(脳のインターネット接続、Internet of Brain)になるでしょう。インターネットは『道具』から『考える道具』になり、その先はクラウドで『頭脳をもった存在』(AI)になるでしょう」

AI、クラウド、IoT。それらをつなぐ基盤が5Gだ。ピョンチャンで披露されたのは、その序章にすぎなかったのかもしれない。IOCのトーマス・バッハ会長は、閉会式のスピーチで「オリンピックは未来への挑戦である」と語った。5Gもまた、これから始まる挑戦なのだ。

2年後の東京五輪までに、日本はどれだけ5Gという技術を消化できているだろうか。5Gの覇権を狙ったレースはすでに始まっている。ピョンチャン五輪の主役は開催国の韓国企業だったが、東京五輪の主役を日本企業が務められるだろうか。

占部 雅一(うらべ・まさかず)
メディアプランナー、デジタルハリウッド大学教授
出版社を経て、インターネットにおけるメディア展開、広告獲得の仕組みづくりに携わる。ヤフー、アイスタイルのタイアップ制作、プレミアムADネットワーク「glamメディアジャパン」のローンチ支援を経て、2012年よりモバイル最適化サービス「モビファイ」を提供。モバイルを中心に世界の最新ITトレンドを探索中。
(撮影=占部雅一 写真提供=インテル)
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