19■トラブル時に馬脚を現す“逃げ腰”営業マン
契約後は、トラブルが発生する可能性もある。
「トラブル自体より、トラブルにどう対応してくれたかが重要」
と日本IBM・鈴木氏はいう。
「トラブルへの対応次第で取引が2度となくなることもあれば、逆に評価が上がることもあります。営業マンに求めるのは報告の速さです。トラブルが起きた瞬間に1本電話ができるかどうか。報告があれば、こちらも次の手が打てます。
ところが、言い出しにくくて遅れる。1日でも遅れれば、ダメージがものすごく大きくなることに考えが及ばないのでしょうか。トラブル時の対応にこそ、営業マンの姿勢と社内調整力がどのくらいあるのかはっきり表れます」
緊急時にこそ営業マンの判断力と実行力が問われることを忘れてはならない。
20■自ら進化できない“無自覚”営業マン
鈴木氏には初めて会ったとき、「何て嫌な奴なんだ」と思った営業マンがいるという。本稿の冒頭、「『できないものはできないので仕方ありません』と解決の意志が見られない方」としてあげた人物だ。
そのときは「態度が悪いと思った」が、今では当時のことを互いに「ジョークにして笑える」ほどの信頼関係にあるという。
「それはご本人が一生懸命変わられたからです。『変わったほうがいいですよ』と私も面と向かっていいました。そうしたら、『そうか、鈴木さん、そう思っていたのか』って。それからです、変わっていったのは。嫌な人でも何もいわずに切るべきではないと私は思います。
営業マンも、もしバイヤーとの人間関係がうまくいかないときは、少し自分を変えてみようと努力してはいかがでしょうか。より深い人間関係を結ぶことにつながるはずです」