はるか年下の僕を一人の政治家として扱ってくれた石原さん

国政政党の日本維新の会においては、このような政治的な人間関係による党内マネジメントは石原さんに委ねようと思った。僕が石原さんとタッグを組むことに関して反対の声も多かったね。考えが違うのになぜ一緒になるんだ! と。あそこから維新の会が狂い始めたという声も多かった(笑)。政治家を束ねたことのない自称インテリがそのような批判をしていたね。彼らは政治家どころか組織をマネジメントした経験などない連中ばかり。

(略)

僕は石原さんとは考えが違う所は多々あるだろうけど、最後は僕と石原さんとの人間関係で、どちらかの考えにまとめることができると思っていた。最後にまとまるなら、それは政策や理念の幅として許容できる範囲だ。もともと僕が石原さんを好きだったこともあるけど、日本維新の会を結成するまでの石原さんとのお付き合いの中で僕はそう感じたんだよね。

それこそ石原さんは、ザ・自民党の政治家だから、僕が完全に丸め込まれたのかもしれない(笑)。でも石原さんは、旧民進党のメンバーに多く感じる優等生的・学級委員的な人じゃなくて、とにかく人間的に面白いと感じる人だった。こんなことわざわざ僕が言わなくても世間のみなさんが知っていることだろうけど(笑)。僕と石原さんは歳は35歳ほど離れているのに、石原さんは僕を一人の政治家としてしっかり接してくれた。僕と石原さんの組み合わせについては色々な意見があったけど、とにかく僕は石原さんとの個人的な人間関係で何とかなると感じたんだよね。

そして何と言っても、国会議員連中において、石原さんほどの重い“漬物石”は存在しない。やっぱり皆、石原さんに気を遣うんだよね。石原さんと一緒に来た平沼赳夫さん、片山虎之助さん、藤井孝男さん、園田博之さんという自民党の中でもベテラン中のベテランの政治家たちも石原さんには最大限気を遣っていた。その他石原さんを師と仰いで維新に入ってきたメンバーも結構いた。さらには腹の中では石原さんを嫌っている国会議員であっても、本人を目の前にするとおとなしくなってしまう者も多かった。石原さんのキャラクターとキャリアから皆そうなっちゃうんだろうね。

こんな石原さんだからこそ、維新の国会議員の中で最高の漬物石になってくれるだろうと確信した。維新の国会議員の中に石原さんが、デーンと存在する。僕は石原さんとの個人的な人間関係だけを築いておけばいい。何十人もの国会議員と個別に人間関係を築くことは不可能でも、石原さんとだけなら僕でもできる。このような僕と石原さんとの関係を柱にして、僕や松井さんは大阪にいながら、東京の国会議員団とやり合って国会議員団をなんとか抑えることができたと思っている。

今、日本維新の会の代表は松井さんがやっているけど、維新の国会議員団の上にデーンと漬物石になって抑えているのが片山虎之助さん。御年82歳。経歴からしても超重量級の漬物石。そして松井さんと片山さんの人間関係は強固で、松井さんは片山さんをリスペクトし、片山さんは松井さんをしっかりと支える。松井さん自身、維新の国会議員団との人間関係は強固に築いているけれど、それでも片山さんの存在は非常に大きい。この片山さんの存在によって、松井さんは大阪にいながら東京の維新国会議員団にガバナンスを効かせることができている。