ネットの情報は信用しない
豪邸を構えるのも、超富裕層同士のつきあいのためです。ビクトリアズ・シークレットのCEO、レス・ウェクスナー氏が、コロラドのアスペンに建てたチロルスタイルのコテージは、車が18台収容できるガレージと、同数のゲストルームがある大豪邸だそうです。社交場ですから、呼んでも人が来ない場所には建てません。日本人にもオアフ島の最高級住宅地に豪邸を構える富豪が3人いましたが、メディアに明かさない。メディアに出て見せたがるのは、富裕層でも下のクラスです。
ITのリテラシーが高いことも富裕層の共通項です。ただし、ネットに溢れる情報は、信用していないので見ない。本当に有用な情報は、富裕層の間だけでしかやり取りされないからです。
好奇心が旺盛な人も多く、リムジンも呼べるのに敢えて自動車配車アプリ「Uber」を使ったり、5つ星ホテルに泊まらず、民泊サービス「Airbnb(エアビーアンドビー)」を利用したりする。人間に関心がある点も富裕層に共通しています。とはいえ、少々変わった人も多い。ある人は「入り口を背にすると入ってくる人が見えないからイヤだ」と言い、店では常に一番奥の席にしか座りません。オラクル会長のラリー・エリソン氏は、戦闘機好きで、本物の戦闘機を集めて空中戦をやることで知られています。
子や孫が“不肖”だったら
そんな超富裕層にとって最大の関心事のひとつが子や孫の教育です。子や孫が“不肖”だったら、安心して事業を承継させられません。現代は「格差社会」と言われますが、その最たるものがIQでしょう。競争に勝ち抜いてお金持ちになった人のIQが高いのは当然です。そのIQは遺伝的要素も強い。にもかかわらず、不幸にして自分の子や孫のIQが高くなかった場合は、世間に知られないよう、早い段階で海外に留学させるのです。ハーバード大学やコロンビア大学などのアイビー・リーグや、セブン・シスターズと呼ばれる名門女子大学には、同窓生の師弟や高額所得者を優遇する「レガシー枠」が定員の10~20%程度存在します。