高校時代の恩師の「社会の雑巾になれ」という教えにも導かれ、大学時代は児童福祉施設のボランティアに没頭。福祉を生涯のテーマにしようと決心した。松下政経塾に5年在籍するも、すぐに出馬せず、スウェーデンに留学するなどして福祉を学ぶ。虐待された子供たち、寝たきりの高齢者、生活苦にあえぐ人々の声なき声を代弁し、住みよい社会をつくろうと政界へ。2000年に民主党から出馬し初当選。

民進党国会対策委員長 山井和則氏(時事通信フォト=写真)

真面目で直球勝負。最近では「提案型」という言葉に縛られ、攻撃力が弱い野党議員も増える中、討論番組では外連味(けれんみ)なく野党色をアピールする。だが力が入るあまり勇み足も。英紙「タイムズ」が風刺画でEU離脱を主導したボリス・ジョンソン前ロンドン市長を「とてつもないバカから逃げたほうがいい」と批判したのを安倍晋三総理に対する風刺画だと間違って会議で披露。党内から「おっちょこちょい」と批判され、安倍総理の秘書からはフェイスブックで「ネット上で『ヤマノイ』ではなく『デマノイ』と小炎上」とチクリ。

蓮舫執行部で国会審議の日程を仕切る国会対策委員長を務める。年金改革では「問題点を国民に知られてしまうから与党は採決を急ぐ」、カジノ解禁では「借金地獄、児童虐待の1つの要因がギャンブルだ」と批判。しかし法案を衆議院では止められず、与党に押されっぱなし。「強引だ!」と言うだけでは安倍政権の支持率は下がらない。国対には権謀術数も必要だ。民進党の存在感アップのための手腕が問われている。

民進党国会対策委員長 山井和則(やまのい・かずのり)
1962年生まれ。86年、京都大学大学院工学研究科修了。立命館大学講師などを経て2000年、衆議院議員に初当選。12年より党国会対策委員長を務める。
(時事通信フォト=写真)
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