キャリアアップする、お金を増やす、家庭と仕事を両立させる、教養を高める。どうやったら「一段上」の自分になれるのか。達人たちのアドバイスを聞こう。
目的:家庭との両立
●教えてくれる人:転職コンサルタント 森本千賀子さん
私は転職コンサルタントとして、2000人以上の方の転職のお手伝いをしてきました。家では2児の母親で、中学1年と小学2年の息子がいます。仕事と家庭に加え、女性のキャリア支援や地方創生などに関する講演も年間80回以上お引き受けしていますから、圧倒的に時間が足りません。しかも夫は出張が多く、月曜日に出て金曜日まで帰らないこともたびたびです。私の実家は関西にあるので、親のサポートも期待できません。
わが家の場合は少し極端ですが、都会に住む共働きの家庭は、どこも似たような環境にあると思います。その条件の下で、子育てを含む家庭の運営に当たらなければいけません。だとしたら、時間当たりの生産性を上げていくしかない。そのために私が編み出した手法をご紹介します。政府が「一億総活躍社会」を掲げる世の中ですから、男性、女性を問わず参考にしていただけるのではないでしょうか。
まず私が実行しているのは「朝活」です。長男が小さかった頃は仕事が終わると保育園にお迎えに行き、帰宅して夕食をつくり、お風呂に入れて寝かしつけてから、残った仕事や家事を片付けるという生活でした。でも次男が生まれると、このやり方では立ち行かなくなり、いろいろ試した結果、朝活にたどり着きました。
夜、子供たちと一緒に寝てしまうのです。ただし5時間後に目覚ましをセットしておき、午後10時就寝なら午前3時に起きます。そして子供たちが起きてくるまでの間に、仕事の準備をし、家事を片付けるのです。これをすると、夜の10時から深夜2時という、睡眠におけるゴールデンタイムにしっかり眠れるため、睡眠の質がよくなり、生産性が高くなります。これは医学的にも証明されています。以前は夜にしていた家事も、朝に回しました。
会社に出勤する前に、前日の仕事をチェックして、そこで自分のやるべき仕事とアシスタントに任せる仕事を振り分けたり、その日に自分がやらなければならない「TO DO」をリストアップしたりしています。それをするとしないとで、1日の仕事の効率がまったく違ってきます。
私は何事をするにも、常に優先順位を考えるようにしています。その日にやること、その週にすべきこと、その月、半年、1年間にすべき自分なりの「TO DO」を決め、それに優先順位をつけるのです。
そうしておかないと、時間の使い方がルーズになります。たとえばスマホでSNSなどを見ていると、あっという間に1時間ぐらい経ってしまうものです。この「だらだらスマホ」は第一にやめるべき習慣です。