ビットコイン投資を始める好機

金利上昇と円安が予想されることから日本円の価値は下がる可能性が高い。現金偏重は見直したほうがよいだろう。すでに投資をしている人は、外貨建て資産の比率拡大を検討すべきである。

さらに思い切って米国株への積極投資を検討してみるのもよいだろう。米国株はほとんどの証券会社が取り扱っており情報も豊富だが、日本株とはやはり勝手が違う。米国株に投資する場合には、P&Gやボーイングといった誰でも知っている超優良銘柄を選んだほうがよい。米国株は配当の割合も高いので、そのまま保有しているだけでも結構な収入になるはずだ。

米国経済が堅調なら、米国を主力市場とする日本の製造業の業績も上向くはず。国内株については、いわゆる外需銘柄の投資を進めていくのがよい。外需銘柄というと自動車が思い浮かぶのだが、後述するように自動車産業には逆風も吹いている。過度な期待は禁物であり、銘柄選定が重要となる。

日本では量的緩和策による低金利が続いているが、それでも米国の金利上昇につられて金利が上がりやすくなっている。銀行や生保など利ざやで儲けるビジネスには有利な環境になった。一方、REIT(不動産投資信託)など、低金利の恩恵を享受してきた銘柄には逆風となる。ただし、REITは実物資産を保有しているので、価格が下落しても必ずどこかで底を打つ。逆に考えれば、そのときが最大の投資チャンスでもある。このほか内需銘柄としては小売りや外食などがあるが、こちらはあまり期待できないかもしれない。円安で輸入物価が上がり、実質賃金が低下するリスクがある。消費が振るわない可能性を考慮したほうがよいだろう。

テーマ別という意味では、今年最大のキーワードになりそうなのが、IoT(モノのインターネット)とAI(人工知能)である。最初に話題になるのは、おそらく重電、産業機器分野だが、この世界は米GEや独シーメンスといった欧米勢が先行している。日立製作所、三菱重工、三菱電機、東芝といった日本勢がどの程度、追い上げられるか注目したい。

少しマニアックなテーマだが、ビットコインなど仮想通貨についても言及しておく。2016年5月、ビットコインなどの仮想通貨を準通貨として認める改正資金決済法が国会で可決、成立した。これによってビットコインは消費者保護の対象となり、安心して投資できる環境が整った。筆者はビットコインへの積極的な投資を推奨するつもりはないが、この技術が持つ将来性を考えると、勉強がてらごく少額の投資を試してみるのは悪いことではない。