「クーリング・オフで返金も可能ですから」

私がお金を払うことに躊躇する素振りをみせると、親切にも今度は8日以内で無条件解約ができる「クーリング・オフがある」と言うではないか。

「もし15万円を払っても、サポートセンターの方でクーリング・オフの手続きができるので、現金書留による返金が可能です」

つまり実質、私の金額負担はないというのだ。

しかし、この言葉は嘘である。というのも、法律上この種のネットの通信販売には、返品の可・不可の記載をする必要があるが、クーリング・オフの適用はないからだ(特定商取引法上のクーリング・オフ規程がない:国民生活センターHP参照 http://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2015_20.html)。

無論、こんな請求に応じるつもりなどないゆえに、後半部では強気に出た。

「運営サイト先と交渉するから、未納になっている会社の連絡を教えなさい」

私の毅然とした口調にお金を取るのは無理だと思ったのであろう。業者は電話を切ろうとしてきた。そこで「架空請求の手口だろう! やめなさい。あなた、こんな架空請求を続けていたら、逮捕されるよ」と強い口調でまくしたてると、電話が切られた。

最近は、「クーリング・オフ」などというもっともらしい用語を持ち出し、「お金を戻します」という嘘をついて、払わせようとしてくるのだ。

ついでながら話すと、この男性の後ろでは、女性の話す声も聞こえていた。この瞬間も、詐欺にひっかかっている人がおり、こうした架空請求を行う者には、女性詐欺師も存在することを忘れてはならない。