隠れトランプ支持者を拾えなかった
第四に、トランプ氏が参加した共和党予備選挙への参加人数が激増していたことと対照的に、サンダース旋風が吹いていたはずの民主党予備選挙への参加人数は伸び悩んでいました。つまり、共和党は大統領選挙に関して大盛り上がりでしたが、民主党は一部学生らが騒いでいただけで、全体的に盛り下がっていたことが伺えます。両党の有権者の盛り上がりの差が最終的な得票差に繋がりました。
第五に、トランプ氏に流れたとされる白人労働者は元々民主党の支持基盤でしたが、民主党側についたメディアが愚かなトランプ支持者として激しく侮辱するキャンペーンを展開していました。その結果として、トランプ陣営の選挙キャンペーン効果が最大化して白人労働者層の投票率が高まるとともに、民主党候補者であるヒラリーから離れていくことは自然なことだと思います。メディアによる有権者叩きはBrexitの際にも類似の現象が起きており、EU離脱派勝利の一要因となっていました。
以上のように、世論調査等の重要な数字を丁寧におさえていくことで、トランプ勝利という結果を導出することはそれほど困難なことではありません。
一部の有識者の人々は「世論調査が隠れトランプ支持者を拾えなかったため、大統領選挙の予測を外した」と弁明しています。しかし、それは明確な間違いなのです。有識者らはバイアスがかかった色眼鏡で数字を見るだけで、世論調査内容を正しく分析できるだけのノウハウが無かったことを反省すべきです。
いまだにトランプ当選を予測できなかった人々が大統領選挙の結果について解説し続けていますが、厚顔無恥とはまさにこのことではないでしょうか。今回の大統領選挙は米国メディアの見解をそのまま丸写しにするだけのガラパゴス有識者らの問題を浮き彫りにすることになりました。猛省が必要だと思われます。