理不尽さを経験させるよりも、仕事の面白さを教えよ
現在、新入社員に与えられている仕事が、単調でとてもつまらないものだったとします。バリバリと活躍することをイメージしていた彼らにとっては、こんなはずじゃなかったのに、と言いたくなる代表例でしょう。
しかし、同時にその仕事も誰かがやらなければならない仕事であり、かつ、最初にその仕事に取り組んでもらうというからには、それなりの理由があるはず。その説明をするところから始めると、彼らを絶望の淵から救い出せるかもしれません。
「そんなことは自分で考えろ」と言いたくなる気持ちは分かりますが、ビジネス社会での経験が少ない彼らにとって、そのセリフがいかにナンセンスなものであるか、ピンと来る人は多いと思います。経験がないということは、考えるためのキッカケのようなものがゼロに等しく、いくら考えても分からない、というループにはまってしまいがちなのです。
仕事の仕組みを教える、そして、その先にある面白さを理解させる。簡単なようで骨が折れる作業です。しかし、少し時間を割いてでも、この説明をすることに意識的に取り組んでみてください。そうすることで、あなた自身も日々の業務の矛盾や改善点がうっすらと見えてくるはずです。そう、彼らを育てること、そして、こんなはずじゃなかったと言わせないことは、実は自らの仕事にもプラスになってくるのです。あなたが感じている仕事の面白さを言語化することで、新入社員だけではなく、自分自身の日々のモチベーションもアップするはずですから。
就職や転職、若手社会人のキャリア開発などの各種サービスやウェブサイトのプロデュース、ディレクションを、数多く&幅広く手がけている。直近は、企業の人事が持つ様々なデータと個人のスキルデータを掛け合わせることにより、その組織が持つ特性や、求める人物像を可視化、最適な配置や育成が可能になるサービスを作っている。リクルートワークス研究所『「2025年の働く」予測』プロジェクトメンバー。著書に『就職のオキテ』『会社のオキテ』(以上、翔泳社)。「人が辞めない」という視点における寄稿記事や登壇も多数。