「タスク型ダイバーシティ」の活性化

【大隅】日本の経済成長は成熟期に入っています。多くの企業が、知の欠乏でイノベーションを求めている。今後さらに、企業にとって不足した能力を持つ人材を柔軟に雇用するタスク型採用が進み、組織が活性化していくのではないでしょうか。

【中野】私の身の周りでも、働き方の多様性やタスク型の働き方を求めて、人が既に動き始めているという実感があります。

【梅田】そうすると人事評価制度も変化しますね。IBMは既に15年前から成果型評価に移行しています。ダイバーシティは、決して女性に優しい施策ではなく、男女を問わず、むしろ個人にとっては厳しいんです。それでも挑戦しがいのある施策だと思います。さまざまな多様化が進むことで少し不自由さが生じて、そこで出し合った知恵がイノベーションへと進化していくでしょう。

【入山】ダイバーシティは、そもそも企業戦略を実現するためにあるんです。会社は人材が全てですよね。人事は、会社の戦略と連動していかなくてはなりません。

【佐々木】「タスク型ダイバーシティ」推進のために、あらゆる固定概念を1つ1つ崩していくことが必要ですね。皆さん、貴重なご意見をありがとうございました。

撮影=岡村隆広