【9.ボス対策】会社のためになることなら、目を見ながら進言
●ライフネット生命保険 企画部マネージャー兼 総務部秘書 川越あゆみさん

社長秘書と企画部を兼務しています。企画部は経営の意思決定を間近に見られる部門。秘書業務でも、ビジネス視点でトップをサポートできるよう努めています。ですから、自分が気になるからというだけで何か進言することはありません。それが本当に会社のためになるのかを、常に自分に問いかけています。

忙しい中で聞き流されないよう、伏線を張ってから伝えるなどの工夫を凝らすこともあります。また秘書をしていると、社員から「社長に伝えたいんだけど」と相談されることも。そんなときも、伏線を張ったうえでタイミングよく直談判できるように計らいます。

大切なのは、進言を通すことではありません。少しでも社長の判断の助けになるのであれば、伝える意味は十分あるのではないかと思っています。

ライフネット生命保険 企画部マネージャー兼 総務部秘書 川越あゆみさん/通信会社の営業時代の上司に誘われ、外資系企業に転職し、秘書の道に進む。2008年、ライフネット生命に入社。開業前から出口治明会長(当時・社長)の秘書を務め、現在は岩瀬大輔社長の秘書と企画部を兼務。「これまで7人に仕えてきました。相手によって対応も変えます」(川越さん談)
【ボス対策の気配り3つのポイント】

●直接顔を見て進言する
言いにくいことほど、面と向かって伝えることが大切。相手とのやりとりの中で、表現を修正しながらうまく伝えていきます。
●何度か話題に出してから
岩瀬は一つのテーマにのめりこむタイプ。そんなときは、何度か話題に出して、あ、またあの話かと認識できる頃を見計らって切り出します。
●肯定する言葉をはさむ
誰でも、否定だけされると不快なもの。クッション言葉を交えたり、「意図は十分承知していますが」など、理解や共感を示すようにします。