女性の活躍、少子化問題の特効薬

日経DUALのアンケートでは84%の共働き世代(正社員87%)が「子どもができて働きにくい、肩身がせまい」と回答。その理由の上位4位までが「勤務時間関連」です。7割が「子どもができて生産性が上がった」と回答。しかし長時間労働の原因は男女ともに「時間当たりの生産性を無視した人事・評価制度」が1位になっていました。

また企業の人材戦略の参考になるよう、次世代の学生や入社5年目までの社会人にも残業について聞いてみました。スリールが3日間で160名のアンケートを集め、彼らの父親の帰宅イメージは「22時以降」、そして『ブラック企業の帰宅時間のイメージは』と聞くとやはり「22時以降」と、父親世代の働き方はすでに若い世代にとって「ブラック」と思われていることが明らかに。「希望した企業でやりがいのある仕事でも長時間労働の職場では30歳以降は転職している」と73.8%が答えています。学生は持続的に働きたいからこそ、ワークライフバランス報酬を望んでいます。

小室さんからは長年取り組んできた長時間労働是正への政府の考えが、変化していること、そして「長時間労働をやめると、企業は儲かり、出生率も上がる」という10社の説得力あるデータが示されました。小室さんが公開したプレゼンはすでに何人もの大臣を説得している貴重なデータです。私も「出生率が上がる」ということにずっと注目していましたが、今回は何社ものデータを示してもらえました。長時間労働は企業から利益を奪うわけではない。むしろ利益をもたらし、社員にも社会にも良いことなのです。

それを裏付ける企業経営者らからのプレゼンもあり、元祖イクボスの川島さんから「ワークライフバランスへの3年間の取り組みで残業は4分の1、利益は80%増、採用コストもゼロ」という報告がありました。

企業の「働き方改革」を取材していくと、女性の活躍にも、少子化にも、最も効果があるのが「労働時間コントロール」と私自身も実感していました。企業も、雇用される側も、次世代を担う若手も、望んでいる。まさにそれが裏付けられるデータがそろいました。しかし、企業の個々の動きでは改革に任せるだけでは時間がかかる。日本は「EUのような上限規制がなく働き放題の国」だという話は前回書いたとおり(http://woman.president.jp/articles/-/1103)。「長時間労働に上限規制」が必要となるのです。