「正しく振り返る」ための3つの質問
「振り返り」という言葉はさまざまな場面で使われますが、ここでは自身やチームの体験を抽象化し、自分にとっての意味を考え、そこから学びを得るプロセス全体を指しています。例えばPDCAサイクルではCheckからActionまでがこれに当たります。
振り返りを促すためには、前述の3つの質問の背景にある(1)何が起こったのか(What)、(2)それにどのような意味があるのか (So What)、(3)今後どんな行動をとるのか (Now What)、と3段階で質問を重ねていくことが効果的です。
1つ目の質問「私(たち)はうまくいっているか?」は、いったい何(What)が起こったのかという状況を描写させ、事実関係の確認を行うための質問です。この質問によって、振り返りの対象となる出来事と、また本人がその出来事をどのように理解しているのかを共有します。
2つ目の質問「何を学んだか(どんな意味があるか)?」では、その出来事に本人がどのような意味(So What)を見出しているのか、という点を振り返ります。同じ出来事であっても人によって意味付けは異なります。そこで、特定の出来事をどのように捉えているのか、何故そう思うのかについて聞くことで、本人にとっての意味を共有します。具体的には、「そこから何を学んだのか」という学びを問う質問の他、「その体験から何が言えるのか」といった抽象化を促す質問がこれに当てはまります。
そして、出来事とその意味を確認した上で行う3つ目の質問「何が今後に生かせるか?」では、これからどうしていきたいのかという行動(Now What)について問います。もっと良くするために必要な行動やこれから挑戦してみたいことなどを聞くことで、振り返りで得た学びを次の行動に移せるよう促します。