男性も育休を取らなければならない理由
――時短勤務を選んだ結果、組織で評価してもらえず、モチベーションが上がらない……子育てのために時短勤務をする女性の悩みと、まったく同じ状況ですね。
【田中】育児休業を取った男性に話を聞いたことがありますが、「半年休んだだけで仕事のやり方も忘れちゃってるし、毎日会社に行かなきゃいけないというだけで辛くなっていて、復帰したときにとても大変だった」と。従って「あんまりおすすめできない」と言うんですよ。でも、それは逆。だからこそ、育児休業を取るべきなんです。
――男性も育休を取るべきだ、と。
【田中】取るべきです。だって出産した女性は、みんな1年くらい休んでいるわけで、それが現実なんですから。こういったダイバーシティの問題については「女性のためにやってあげるんでしょ」と思いがちで、口に出してそう言ってしまう人もいますよね。しかし役職者、上の世代の人たちだけでなく、若い人たちでさえそう思っているという現状は、非常によくないですね。
第1回 結婚を不安視する男、幻想から離れられない女
http://woman.president.jp/articles/-/866
第2回 「結婚はコスパが悪い」という男性が結婚を意識するのはどんなとき?
http://woman.president.jp/articles/-/893
第3回 上司をおだてることは、会社の不利益である
http://woman.president.jp/articles/-/896
第4回 女性たちよ、管理職になれ!
http://woman.president.jp/articles/-/903
第5回 結婚したいのにできない人に必要なこと
http://woman.president.jp/articles/-/925
第6回 「減点法」コミュニケーションの行く先は、破局しかない
http://woman.president.jp/articles/-/926
第7回 男はつらいよ~男は「競争」、女は「協調」
http://woman.president.jp/articles/-/927
最終回 「夫が家事を主体的にやってくれない!」となぜ怒ってはいけないのか
http://woman.president.jp/articles/-/928
1997年に女性に特化した人材コンサルティング会社、株式会社ジョヤンテを設立。経営者歴18年。女性の裏と表を知り尽くし、人生相談にのりフォローしてきた女性は1万人以上。プライベートではベンチャー経営者と結婚するも離婚、そして8歳年下のダンサーと2008年に再婚を経験、「女のプロ」の異名を取る。9歳と2歳の娘を持つワーキングマザーでもある。著書に、『結婚したい女子のための ハンティング・レッスン』(総合法令出版)、『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。』(KKベストセラーズ)など。
田中俊之
武蔵大学社会学部助教、博士(社会学)。1975年生まれ。社会学・男性学・キャリア教育論を主な研究分野とする。2014年度武蔵大学学生授業アンケートによる授業評価ナンバー1教員。男性学の視点から男性の生き方の見直しをすすめ、多様な生き方を可能にする社会を提言する論客としてメディアでも活躍中。著書に、『<40男>はなぜ嫌われるか』(イースト新書)、『男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学』(KADOKAWA)など。
構成=すずまり(鈴木麻里子)