稼ぎ手は1人より2人という話で言えば、女性が仕事をいったん辞めると生涯収入も大きく違ってきます。人生はお金で測れるものではありませんが、例えば大学卒業後、ずっと正社員として、途中育休を取りながら管理職に昇進し65歳まで働いた場合、生涯収入は2億3243万円になるという試算があります。同じように正社員として就職しながらも、30歳で出産、育児のために離職し、35歳で正社員として再就職し直した場合の生涯収入は1億2125万円。ずっと正社員として働き続けた場合のほぼ半分となります。また同様のケースで、30歳で離職した後、非正規社員として31歳から65歳まで働いた場合の生涯収入は8738万円。仕事に復帰しなければ、それ以下です【PRESIDENT WOMAN Online「『ずっと正社員』なら生涯年収2億超! "守りつつ攻める"働き方」(http://woman.president.jp/articles/-/514)、「生涯年収は正社員の半分以下!? 『非正規社員』はしっかりとしたマネープランを」(http://woman.president.jp/articles/-/567)より】。
働き続けることで得る“偶然”を、チャンスに
妊娠する、産む、育てる、ということは確かに大変なことです。仕事を中断しても子供に向き合わなくてはならないこともあります。でもそれはそのときがきてから、ベストの方法を考えればいいことです。見えない将来のために、今から仕事を辞めたり、その心配をしたりする必要はありません。
それよりも、仕事を辞めることによるリスクに対して、もっと慎重になるべきです。1人の男性に依存して生きることは今後ますます難しくなりますし、男性側もパートナーに働いてほしいと思っている人が増えています。まずは女性が経済的に自立し、自分の身を守る手段を得ておくことが必要です。妄想もあり、会社を辞めてしまった私ですが、同時にいつでも働けるように準備だけはしておこうと思っていました。在職中に試験に合格した中小企業診断士に加えて、退職後はそれ以外の資格の勉強を続けました。当時の勉強やその過程で得た人とのつながりが、中小企業診断士として生計を立てる今も役立っています。