産んだ後の方が人生は長い

今では2児の母となった私ですが、20代独身のとき、全く見えていなかったことがあります。それは出産後の人生についてです。結婚がゴールではないように、出産もゴールではありません。むしろスタートです。さらに当時は「産んだら大変だ!」という思いだけしかなく、「産んだ後、子供は成長していく」という観点がごっそり抜け落ちていました。

多くの場合、子供は少しずつ自立していきます。子育て期の女性を対象としたセミナーを開催すると、参加者から「子供が中学生になったくらいから、親の手を離れたことを実感し、少しずつ元のように仕事をしたいと思うようになった」という声が挙がります。起業セミナーに参加するママさんたちにも、子供の成長に合わせて少しずつ増える「自分の時間」を使って仕事を始めようとする人が増えています。

女性の平均第1子出産年齢は30.4歳(「平成25年人口動態統計」厚生労働省より)。その手前、25歳から29歳の労働力率は8割近いわけですから、多くのお母さんが子供を産む前は働いていたはずです。大学卒業後からとすると、6年もの就業経験があることになります。子供が中学生になるまでに12年。30歳で産み、42歳で仕事に復帰したとしても、その後65歳の定年までまだ23年間も働ける余地があります。女性の人生、そして仕事人生は産んだ後の方がずっと長いのです。

生涯年収を数千万レベルでダウンさせる仕事のブランク

先にも述べましたが、産む前は働いていたたちです。働く力があるにも関わらず、“稼ぐ”部分をすべてパートナーにゆだねてしまうのは、リスクが高すぎます。パートナーが常に健康で働けるとは限りません。また昔のようにパートナーの勤める会社が終身雇用とは限らず、また安定した企業に入ったとしても転職したいと言い出すかもしれません。家計においては、稼ぎ手は1人より2人の方が、「先が見えない」時代に対するリスクヘッジになります。