※本稿は、ガブリエル・ブレア『射精責任』(太田出版)の一部を再編集したものです。
女性は妊娠から途中退場できない
男性が望まない妊娠を引き起こした場合、女性には妊娠と向き合うか、それとも向き合わないか決めることはできません。最終的には、女性がなにもかも判断をすることになるからです。
妊娠を継続させて出産する? 仕事は続けられる? 家族は受け入れてくれる? 医療費はどのようにして払う? 子どもを育てるリソースはある? 中絶は? 居住地の州では合法? 妊娠はどのあたりまで進んでいる? 中絶が必要になった場合、別の州に行くための交通費の捻出はできる? 養子縁組の可能性は? もしその予定であれば、それはオープンな養子縁組で、生涯にわたって子どもと連絡は取れる? 妊娠中に養子縁組をやめたり、出産後にやめたりすることはできる?
男性はこういった大きな肉体的、精神的負担から逃れることができます。
無責任な射精がすべての望まない妊娠の原因であると指摘すると、この前提を受け入れることで、妊娠にまつわる肉体的重荷を負う人間が魔法のように変わると考える人がいるようです。
女性とともに、男性が自らの無責任な射精の責任を分担してくれるなんて、素晴らしいことですよね。でも、どうやって? 半分妊娠してくれるとか? 陣痛と出産を半分経験してくれるとか? 半日授乳してくれるとか? 望まない妊娠が原因の堕胎、合併症の辛さ、陣痛、出産における男性の死亡率は0%です。男性は妊娠から逃げることができます。女性はできません。
精子は危険な体液である
精子は危険な体液だと考えるべきでしょう。女性に痛みを与え、生涯続く混乱を招き、死をももたらすことさえあります。
精子は人間を作り出すことができます。精子は人間を殺すことができます。精子は妊娠を引き起こし、妊娠と出産は女性に身体的、心理的問題を引き起こし、社会的、そして経済的地位にネガティブな影響を与えます。
射精し、精子を女性の体内に放出しようとする男性は、精子が彼女に与える影響をしっかりと考え、行動すべきです。つまりそれは、責任を取るということです。セックスをする度に。結果があまりにも大きいからです。