メモ術の根本はすぐに復元作業
取材してメモをした後のフォローも欠かせない作業。忘れないうちに必ず読み返すこと。「筆記具は、黒、赤の2色を使うのがいい」とアドバイスするのは、30代の別の全国紙政治部記者の三隅清人氏(仮名)。
「メモ術の根本はすぐに復元作業をすること。2、3日ほうっておけば忘れてしまいます。実際に話を聞きながらメモを取った本文は黒ペンで書く。文章の流れの中で覚えているけれど、書き切れなかったことは、赤ペンで書き足していく。急いで書くと字が躍っているときもあれば、書き間違えていることもあります。字の判読と確認の作業を兼ねて、ポイントになるところはマーカーで囲みます」
その作業は、政治家や役人の施策に関する国会答弁などでは非常に役に立つという。
「彼らは『何々しなければならない』とか、『何々する必要がある』といった表現を使い分けている。感覚的には同じ意味になりますが、記事では確実に使い分けなければなりません。そのために『ねばならない』はマストのM。『する必要がある』はH。たとえば、『年度内に実施する必要がある』は、『ねんどないじっしH』。『必ず、実施しなければならない』は、『か、じっしM』。平仮名とアルファベットを使います」(三隅氏)