タワーレコードでは、分析の結果をポイントカード会員への販促メールの文面作成や、配信のタイミングなどに生かすようにした。音楽の嗜好や年齢、購入の頻度などに応じて、様々なタイプのメールを用意し、「会員の方がメールを読んだとき、『多くの人に一斉送信されたものではなく、自分のためにこのメールが送られてきた』と実感できるようなメール作成を心がけている」(タワーレコード オンライン事業本部 前田徹哉氏)。同社が12年10月に試験的に行ったキャンペーンの販促メールは、優良顧客の5人に1人から注文を得ることに成功したという。

タワーレコード オンライン事業本部 前田徹哉氏

3社のデータサイエンティストは、それぞれが分析についての独自のノウハウを持っている。一方で、全員が共通して強調していたのが、「分析結果を見た人が、その分析のストーリーに納得することが重要」ということだ。分析によって何かしらの結果が得られたとしても、その結果に至るまでの仮説が納得できないものであれば、人は動かない。

読者の方が実際に自分の仕事に分析を取り入れる場合にも、このことは強く肝に銘じておくべきだろう。

【分析を問題解決につなげる視点】
◆手段と目的――分析は手段にすぎない。目的は問題解決。
◆分析結果と意思決定――意思決定や問題解決に貢献できる分析結果を。
◆必要条件と十分条件――高度な分析手法よりビジネスに生かすための手法。

(栗原 諭(JAL)、竹井俊晴(花王)、的野弘路(タワーレコード)=撮影)
【関連記事】
情報のプロが伝授! “消費者心理をつかむ”分析の応用
脳科学を応用! 最新・ヒット商品のつくり方
「消費しない若者」を動かす方法はあるか
売り上げ3倍! “人に伝えたい”商品の仕掛け
ヒットメーカー7人の「スマホトップ画面」拝見!