第一線で活躍する人たちは、どんな家で育ったのでしょうか? それは、とにかく子供がのびのび過ごせる場所だということ。子供の才能を開花させる、環境づくりの秘密を公開します!

メダルや賞状。子供たちが努力した成果を壁に飾る

2013年10月。世界選手権に17歳で初出場し、金メダルを獲得した体操の白井健三選手。彼はこの大会において、床運動で前人未到の“4回ひねり”など、新技を3つも披露し世界を驚かせました。近年体操は高度化しすぎて、新技は出ていなかったからです。東京五輪で活躍が期待される白井健三選手は、どのような家で育ったのでしょう。体操指導者である父・白井勝晃さんが教えてくれました。

(写真=AFLO)

わが家のリビングを訪れた人は、すだれのように壁に飾られたメダルに目を丸くします。長男・勝太郎(24)、次男・晃二郎(22)、そして、末っ子の健三(19)。3人の息子は、私が経営する体操教室で幼少期から体操をしてきました。子供の頃からいろんな大会に出場して獲得したメダルを壁に飾っていったら、結果的にこうなってしまったわけです(笑)。

なぜ、メダルを飾るのかといえば、来客者に自慢するためではありません。親として、彼らの活躍や努力を認めてやる行為だと思ってやっています。だから、最近でこそメダルや賞状ですが、小さいときは書き初めや上手に描けた絵、皆勤賞の紙、満点を取った漢字テスト……、ありとあらゆる「成果」を飾ってやりました。

子供って、絵がうまく描けたりすると嬉しそうに「これ見て」って持ってきますよね。それを「うまいじゃないか!」といって張ってやるのです。ほめた後に引き出しにしまうのと飾るのとでは、誇らしさが違います。うちは子供が喜ぶやり方を選びました。

帰ってきて、リビングで食事したり、テレビを見るとき、視野には、必ずメダルがあります。メダルは努力を褒めたたえてくれる勲章ですから、ここで過ごす時間、子供たちはネガティブな気持ちになりようがありません。自然と前向きになれるのです。