稼ぐ技術あらゆる時間術を試しても、残業が減らない……そんな人は必読! 残業ゼロでも成果が上がる仕組みをご紹介。
自分で仕組みを作る「r型人間」になれ
「残業」への風当たりが厳しくなってきた昨今。だが必ずしも、「残業=悪」ではない。
「人より成果を上げるには、人より多く働くのは当然。大事なのは成果が上がる働き方をすること」と言い切るのは米国公認会計士の午堂登紀雄さんだ。
「そのためには他人に振り回されず、自分のペースで働く仕組みを作るしかない。誰かが紹介した時間術を真似するだけではダメです」(午堂さん)
本や雑誌に載っている時間術をなぞっても、仕事の本質を見極めなければ、最適な段取りはできないのだ。
「人間は思考力の有無で二通りに分かれます。自分の頭で考える人は消費を仕掛ける“r型人間”。自分の頭で考えない人は、財布を開かされる側で終わる“g型人間”です」(午堂さん)
ワークスタイルデザイナーの悠木そのまさんも、次のように言う。
「現実をふまえると、物理的な残業ゼロは不可能。それよりも自分の予定した時間をオーバーせずに帰宅する『心理的残業ゼロ』を目指すべきです」
絶対定時に帰りたい人、残業は厭わないが仕事をスピードアップしたい人、どちらにとっても役に立つ、残業ゼロの仕組みを作る方法を紹介しよう。
初級編――「記録するだけ」で仕事がどんどんスピードアップ
やりたくないことほど記録を取る
残業を減らす仕組み作りの第一歩は、意外なことに「記録」である。心理学ジャーナリストの佐々木正悟さんは次のように言う。
「料理のレシピってあるでしょう。あれは料理を作ったときの記録ですよね。そのレシピを見て同じ料理を作ることが“仕組み”です。だからまずは仕事の記録をまめに取ること。理想を言えば、できるだけ細かく」
自分でひとまとまりの作業だと認識しているものをワンアクションとして、開始時刻と終了時刻をエクセルなどに記録していく。記録後はなるべく早い段階で、つけた記録通りなぞれるものはなぞっていく。
「人は同じことを繰り返すと、動作が少しずつ速くなっていくからです。まったくタイムが縮まらないということはありません」と、佐々木さんは太鼓判を押す。もしタイムが縮まらないのであれば、作業を行う順番が合理的でない可能性がある。その場合はワンアクションが次のアクションに無理なくつながるように順番を入れ替える。それを繰り返すことで、やがて無意識に体が素早く動くようになるのだ。
「楽しくないこと、やりたくないことほど、記録をつけて仕組み化してしまうといいでしょう」(佐々木さん)