20歳以上の罪はあくまで本人の罪

未成年者が罪を犯した場合、親は監督責任を問われます。家庭裁判所に呼び出されて家庭内の事情を尋ねられたり、民事上の賠償義務を負ったりすることも珍しくありません。例えば、2008年に当時小学5年生の男の子が自転車で走行中に60代の女性に衝突し、女性が意識不明になった損害賠償訴訟で、神戸地裁は少年の母親に約9500万円という高額賠償を命じました。

一方、現在の法律では、20歳以上の成人が罪を犯しても、親には責任がない、というのが原則です。あくまで罪は本人にあって、親まで罰せられることはありません。

みのもんたも31歳の息子のために謝罪(写真=時事通信フォト)

成人の子が罪を犯した場合に、親にまで責任が及ぶ例外的なケースが、公職選挙法における「連座制」です。候補者の家族、秘書などの関係者が、選挙運動中に買収などで公職選挙法を犯していた場合、候補者の当選は無効になり、同じ選挙区からの立候補が5年間禁止されることがあります。最近では、医療法人徳洲会グループの公職選挙法違反事件で連座制が注目されました。姉などの関係者に禁錮以上の刑が確定すれば、徳田毅衆院議員に連座制が適用される可能性があります。

同様に、親が選挙に立候補し、成人の子が公職選挙法に違反すれば、連座制で責任をとらされることもあるのです。これは、現在の法体系で唯一の例外といえるものです。

江戸時代までは、罪人の親族にも刑罰が及ぶ「縁座」、5人組や名主が連帯責任を負う「連座」がありました。中国では清の時代まで、権力闘争に敗れると「罪は九族に及ぶ」といわれて、一族皆殺しにされることがありました。この「族誅」は中国の属国だった朝鮮、ベトナムにも見られ、日本の縁座、連座はその流れを汲んでいると考えられます。

現在の日本でも、著名人の子が罪を犯せば、たとえ子が成人であろうと親が謝罪する姿がテレビで観られます。法的に責任はなくても、メディアを通して社会に向けてお詫びするのです。これは、血族を重視するアジアの文化的風土といえそうです。