「魁より始めよ」の言葉通り、日本電産のトップとして創業から40年、ずっと走り続けてきた永守重信氏。今年度はリーマン・ショック以降2度目となる“危機”もはねのけ、「V字回復」を導いた。永守氏を極限まで駆り立てるものは何なのか。
正直にいえば私の読みが甘かった
危機ほど楽しいものはない――。困難と出合うたびにそう思う。克服することで、会社がますます強くなるからだ。
たとえば2008年のリーマン・ショック。世界経済に大混乱を来し、日本電産も直後には減収減益を余儀なくされた。だが私たちはこの危機に即刻立ち向かい早くも10年度には過去最高益を達成した。製造工程のムダ取りなどの構造改革を徹底し、会社の体質改善を進めたからだ。
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