共働き世帯の増加を背景に、家事代行サービスの市場が大きく伸びる可能性がある。野村総合研究所が、2011年時点で300億円の市場が、今後約6倍の1720億円まで膨らむという試算結果を出した。調査を実施した同社の武田佳奈氏は説明する。「これは25~44歳の女性の利用希望をもとに算出したもので、単身世帯やシニアの利用も含めると更なる増加が見込めます」。
実際、家事だけでなく、高齢者の話し相手ができる人材が担当する「シニアプラン」も出ているという。1時間3000円前後と高価格なこと、他人を家に上げることへの心理的抵抗など、依然として、金銭的、心理的なハードルは高い。そのため、企業ではこれまでの定期契約中心のプランを見直し、お試しプランやギフトチケットを用意するなど、工夫をこらしている。
初回利用のハードルこそ高いが、利用者の90%超がサービスに満足と回答し、リピーターは多い。「利用者の旦那様からの評判もいいと聞いています。理由は、妻の機嫌がよくなるからとのこと」(武田氏)。
1日の家事時間が1時間程度と、韓国に次いで短い日本の男性には、一見関心の低いサービスかもしれないが、こんなメリットがあるなら検討の余地ありである。
(ライヴアート=図版作成)