最初の3分で学習計画を立てる

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帰宅後、なにより先に机に向かいましょう。

それでは、具体的なやり方について説明します。といっても、難しいことは何もありません。帰宅したら、何よりも先に学習計画を立てるだけですので、3分もあれば終わります。とりあえずおやつを食べてからなどとひと息ついてしまうと、気持ちが緩んで計画を考えるのすらおっくうになってしまいます。ですから着替えも後回しにして机に向かわせ、何を勉強するか書き出させましょう。

ポイントは、「国語は◯ページから◯ページまで、算数(数学)は◯ページから◯ページまで」というように、具体的に考えることです。何をすべきなのか、どこまでやればゴールに到達するのかを明確にすることは、子供のやる気を引き出すために重要です。

このとき、分量を多くし過ぎないよう注意してください。小学生くらいの子供が集中して勉強できる時間は20~25分程度なので、慣れないうちは1教科25分以内で一区切りがつく分量を設定するようにしましょう。

ただし、実際に勉強をするときは、小学生の場合、時間で区切ってしまうと焦って雑にすましてしまうことが多いので、時間で区切らず、計画した分量を終わるまでやらせます。中学生の場合は、ダラダラ勉強を続けることにならないよう、制限時間内に終わらせるようにしましょう。

また、子供の計画は好きな教科、得意な教科に偏る傾向があります。そのため、お子さんが小学生なら、最初のうちは親御さんも一緒に考えてやって、嫌いな教科も計画に含めるように誘導すれば、学習のムラもなくなります。

ただし、「○○をやりなさい」と押し付けてはいけません。あくまでも「何を」「どこまで」やるのかは、子供自身に考えさせてください。自分で決めたことだからこそ、やらなければならないという気持ちが芽生えてくるのです。

金子 保
埼玉大学教育心理学研究室で助手を7年間務めた後、教育心理学の実践研究のため小学校教諭に。現在はさいたま市教育相談センター所長として、子供の問題行動やひきこもりなどの相談にあたる。著書は『成績アップの秘密は、帰宅後5分にあった!』『6歳までにしておきたい親子体験』ほか多数。
(八色祐次=構成)
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