家庭学習がきちんとできる子とできない子、違いはどこか? 教育心理学の専門家に聞いたら、その差は意外に単純なことでした!
一日の終わりに生活時程調査日誌をつける
勉強を終え、食事もしたしお風呂にも入って後は寝るだけとなったら、一日の最後に「生活時程調査日誌」をつけましょう。これは、朝学校へ行く前と学校が終わってから、時間をどのように使ったのかを書き込む日誌です。
人の記憶というものは、とても曖昧で、何にどのくらいの時間を費やしたのかなど、明確に認識していないものです。たとえば、帰宅後、ゲームやインターネットで遊んでしまい、食後に1時間弱しか勉強できなかったとします。しかし、本人は、「結構遊んでしまったけど、一応勉強もしたし、まあいいか」と勉強した気になって反省しないことが多いものです。でも、1時間弱の勉強では、学校で学んだことの復習も満足にはできていないはず。こういった曖昧な認識を正し、毎日の勉強の質を高めていくために行うのが、生活時程調査日誌なのです。
ポイントは、何にどのくらいの時間を費やしたのか事細かく書き記すことです。そうすることで、どこに無駄な時間があり、何を反省・改善すればいいのか考えられるようになります。
生活時程調査日誌は毎日書く必要はありませんが、定期的に自分の生活スタイルを見直すことで、効率的な勉強時間の確保ができるようになります。
【生活時程調査日誌の記入例】
(1)何時から何分間ゲームをしていた、テレビは何時から何時まで見ていて、食事やお風呂はいつだったのか。勉強の開始時間、終了時間はもちろん、途中で休憩を何分とったのかといったところまで、一日を振り返りながら細かく記していく。
(2)書き出したら、多くの時間を費やした事柄とその日の勉強時間をはっきりと認識する。
(3)反省点・改善点を自分なりに考える。
(4)子供が小学生なら、最初のうちは親子で一緒に記入し、「今日はゲームをしている時間が一番長かったね」などと、反省点に気付かせてやる。
(5)休日は、自由になる時間が多い分、勉強以外に時間を費やしがちなので、平日以上に細かく書き出していく。
埼玉大学教育心理学研究室で助手を7年間務めた後、教育心理学の実践研究のため小学校教諭に。現在はさいたま市教育相談センター所長として、子供の問題行動やひきこもりなどの相談にあたる。著書は『成績アップの秘密は、帰宅後5分にあった!』『6歳までにしておきたい親子体験』ほか多数。