提案するときは、味方を見つけるべし

そこで味方になってくれる人を探します。提案の話をしてみると、思いもかけず多くの人、特に子育て世代の男性たちが応援してくれたそうです。

「まず次官の村木厚子さんに相談し、村木さんが小渕優子さんのところに行くときに付き添ってくれて、それから内閣人事局まであがることに。私もこんなに大事になるとは思っていなかったのですが」

この提案を受け、自民党議員に関しては前々日の8時という締め切りを守ってくれるようになったということです。「改革の一歩」はしっかりと実現したのです。

誤解しないでいただきたいのは、これは決して「税金で働いている官僚が楽をしようとしている」わけではありません。むしろ、働き方の改革は政策の質を高めます。

「私も寝ないで働いていたときは、そこまで考えなかったのですが、6時半に仕事を強制終了して子供を迎えにいくという時間制約ができて、労働コストの意識が高まりました。政策の質が向上するのです。男性だってあんな働き方では疲弊してしまうし、共働きの子育て世代の奥さんの仕事も阻害してしまう。男女ともにやらないと、いずれ介護の問題も出てきます」