出版後すぐの大学時代に初めて読んだ。1960年代から70年代にかけて、「より高く」「より早く」を信条としてきた米国のエリート青年たちが宇宙飛行士として漆黒の宇宙に送り出され、青く輝く地球を目にしたとき何が起きたか。彼らの内面の変化、その後の人生を丹念に取材した傑作だ。何度も読み返したが、そのたびに新しい発見がある。

人間とは、組織とは、神とは何か。哲学的な問いに対し、著者は明晰かつ平易な文章で回答を試みる。もちろん人を変えるのは宇宙体験だけではない。たとえば地道な仕事を積み重ね目標を達成したとき、事前には予想しなかったすばらしい景色を見ることがある。若い人にはぜひ、その景色を見てほしい。

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