2013年は、日経平均株価の上昇率がバブル崩壊後最大となる56.7%を記録した。2014年下半期の日経平均株価は、どのように動くのか、トップエコノミスト3人の予測を見ていこう。
下半期の株価は視界良好。消費増税は乗り切った
【永濱利廣】年末までの日経平均株価は、おおむね「視界良好」というのが私の見方です。「快晴」とまではいきませんが、マーケットにとっての好材料がそろっているからです。まず、4月に行われた消費増税が、当初懸念されていたほどの景気の阻害要因にならなかったこと。もちろん、いったん株価が下がりはしましたが。
【武内浩二】すでに持ち直してきた感がありますよね。
【永濱】そうなんです。また、消費増税に対する慎重な姿勢から、前半は業績予想を保守的に出した企業が多いので、9月以降に上方修正が続くことが予想されます。自動車産業などがそのよい例。特に新車販売に関しては、増税前の駆け込み需要の反動が見込まれたため、自工会から15%以上落ち込む見通しが出されていました。しかし、蓋を開けてみれば4月の新車販売は前年同月比の5.5%減にとどまり、5月には1%減、6月にはすでにプラスに転じています。これらは、株価上昇の追い風になるでしょう。
【高橋和宏】私も、日経平均株価は年末に向けて1万6000円台半ばから後半まで持ち直すだろうと予想しています。日本はこれまで海外の投資家たちから、「結局変わらない」と諦められていました。それが、安倍政権になってから「アベノミクス」効果もあって、期待感が高まっているんです。
【武内】それは大いにありますね。私が思うに、アベノミクスの一番の効果は、企業や消費者のマインドを改善させたことです。ある程度リスクをとってでも、前向きな投資ができるようになった。それによって、設備投資は金融・保険業をのぞく全産業で増加していますし、今後もこの傾向は続くと予想されます。多くの企業が、今後の成長を見据えて今のうちに投資しておこうと考えるからです。昨年の株式市場は、アベノミクスへの期待が少々ゆきすぎた感がありましたが。