硬直しがちな会社のルール。従来のやり方にしがみついていては、ビジネス環境の変化に対応するのは難しい。勇気を持って変革に取り組み、未来を先取りする企業から学ぶことは多いはずだ。

クックパッド

月間2000万人以上の利用者を誇る料理レシピサービス「クックパッド」などの企画・運営。/創業:1997年 従業員数:約130名

◎自分で作る社員食堂

投稿数150万品を超える日本最大のレシピサイト「クックパッド」。同社のエントランスを入ると十数名が同時に調理できるほどの大きなキッチンスペースが広がっている。実は同社には「まかない制度」と呼ばれるシステムが設けられており、昼休みには社員が集まり、自由にランチを作ることができる。当番制ではなく、作りたい人が集まって、作りたいものを作って食べているのだ。しかも材料費は会社負担である。

「社員が実際に料理を楽しむことで、サービスにユーザー視点を取り入れられることはもちろん、異なる部署の社員同士のコミュニケーションの活性化にも大いに役立っています」(広報・IR部 丸山さん)。同社の経営理念でもある「毎日の料理を楽しみにすることで、心からの笑顔を増やす」が表れた制度だ。

カルビー

ポテトチップの国内シェアは6割とも7割ともいわれている業界屈指の企業。2011年3月に東証1部上場。/創業:1949年 従業員数:約3,400名(※連結)

◎毎日席替えで横のつながり強化

2010年1月、本社の東京・丸の内への移転に伴い、個人ごとの席を定めないフリーアドレス制度をワンフロアまるごと導入した。

フリーアドレスならばことさら目新しくもないのだが、着席する場所をコンピュータによる”くじ引き”で決めるという点がユニークである。

座席の種類はいくつか用意され、コミュニケーションをとりながら業務をする席、1人で集中する席などがある。座席の滞在時間には上限が決まっており、1日に最低1回は移動することになっているという。

狙いは、横のコミュニケーションの活性化。縦割り組織の弊害をなくすことによって、イノベーションを生み出そうというのである。ワークスペースをシステマティックに運用することは、社員の自発的な時間管理にもつながっているようだ。