2.能力や立ち位置を冷静に見る
オリジナルバッグの販売で世界の食糧問題に取り組んでいるブランド「フィード」の創始者であり、ブッシュ前米大統領の姪でもあるローレン・ブッシュ氏の初来日イベントも手がけた。想定外のトラブルもあったが、なんとか招聘を実現できた。

夢を達成できる能力、経験、人脈があるか、タイミングは最適か、あるいはそれは本当に自分がすべきことかを見極めることは、夢をもつのと同じくらい重要だ。

僕は商社勤務時代にODA事業を希望したが、アフリカ駐在の結果、能力不足と、それが自分の追求すべきことではないことに気づき、大きく軌道修正し、経営に関連する能力や経験を得るために時間を費やした。僕のように、一度飛び込んでみなければわからないケースも多いとは思うが、できれば飛び込む前に冷静に自分を見極めて必要なものを習得していく努力をすべきだ。それが失敗のリスクを減らしつつ、本当にすべきことにチャレンジできる環境を整えてくれる。

3.アップサイドとダウンサイドのリスクバランスを考える

何らかのリスクをとるからには、そこから得られる最大限のもの(アップサイド)を考え、バランスを考えて冷静に判断すべきだろう。アップサイドには得られるお金だけでなく、経験や社会的意義なども含めてもいいと思う。

4.リスクをとる前に仮説をつくる

「とりあえずやってみよう、あとは出たとこ勝負」では得るものは少ない。

事前に、自分がそれをやることによって状況はこう変化するという仮説を立ててから行動を起こし、さらに結果を自分の予想と照らし合わせ、もし違っていたならどこに問題があったのかをはっきりさせる。そして次回、同じ課題に挑戦するときは、そこを修正して新たな仮説を立てて試してみる。

要するに、アクションを1回限りのものと考えるのでなく、PDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルの一環であると意識するのだ。PDCAサイクルを回せば回すほど、課題解決の精度は飛躍的に高まっていく。

また、「もし失敗するとしたらこれが原因だろう」と想定できる失敗要因を2つ、3つ調べて決めておくことも必要だ。こうすることで、その失敗要因を取り除いた新しい形で始めたり、失敗しないために気をつけるポイントを事前に把握し意識したりできるので、その分、失敗リスクを減らせるのだ。たとえば、製造業であれば失敗する原因の多くは過剰在庫なので、在庫量に気をつけることでリスクを半減できる。