子どものころから「フレイル」状態
モバイル社会研究所の調査で、2023年の小学校高学年のスマホ所有率は、初めて4割を超え、小学校6年生では半数を超えることが明らかになっています(※7)。
スマホやタブレットなどの使用の増加は、子どもの身体性にも影響を与えており、スポーツ庁の調査によると、平成30年をピークに子どもの体力は低下傾向で、特に自粛期間が長く運動機会が激減したコロナ禍に低下の一途を辿り、コロナ明けにやや回復が見られたものの、コロナ禍前の令和1年の水準にはまだ戻っていないことが報告されています。
小学生男女、中学生男女ともに、学習以外のスクリーンタイムが長時間になると、体力の合計点が低下する傾向が見られていますが、令和5年度の調査でも、スクリーンタイムは増加傾向でした(※8)。
名古屋大学の調査によると、コロナ禍には子どもの動作時のバランス能力が特に低下しており、一方で、動画視聴時間の増加や、睡眠時間の短縮が見られていることがわかっています(※9)。
今、小学校では、手を真っすぐ挙げる、朝礼で起立を続ける、しゃがむなどの当たり前の動作ができない子が増えているといいます。
高齢者になるにしたがい、要介護状態に向かっていく心身の衰え「フレイル」が問題になっていますが、現代は、子どものころから「フレイル」といえるような状態が増えています。
10歳から12歳まで活発に身体を使う
子どもたちの心身が飛躍的に成長する10歳から12歳までの時期を「ゴールデンエイジ期」といい、この時期に活発に身体を使うことがとても重要です。
飛んだり跳ねたり走ったりする運動能力や筋力だけでなく、脳神経や末梢神経のネットワークが構築されていきます。バランス感覚や反射神経などを培うことができる時期ですから、自然体験や外遊びが必須なのです。
スマホやタブレットの使用が、前頭葉や身体の機能・発達にきわめて甚大な影響を与えることが明らかになっています。学校の授業以外での使用に公的に制限をかけるなどの対策が必要ではないでしょうか。
「脳の発達期のスマホ使用禁止条例」を発動し、自然の中で遊ぶことを推奨する自治体があれば、子どもや自分自身のスマホ依存に悩む都市部の家族がこぞって移住するのではないかと思います。
※7 「令和5年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果(概要)について」スポーツ庁(令和5年12月) https://www.mext.go.jp/sports/content/20240115-spt_sseisaku02-000032954_11.pdf
※8、※9 「【新型コロナ】子供の運動不足も深刻 動作時のバランス能力が低下 不規則な生活やスクリーンタイムは増加」保健指導リソースガイド(2022年11月14日)https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2022/011714.php
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