中国に8400億円、米国に1570億円の打撃

欧州の物流にとって重要な内陸河川の水深も低下した。ドイツでは、はしけ1隻分の貨物を運ぶのにトラック200台が必要になったといわれている。

8月、中国には台風4つが上陸した。中でも影響が大きかったのは、台風「ドルフィン」だった。8月、自然災害による直接的な経済損失は360億元(約8400億円)に達した。ドルフィンによる影響は全体の78%を占めた。

米国ではエルニーニョの影響により、大西洋のハリケーンは歴史的に少なかった。一方、6月の熱帯暴風雨「アーサー」は、ルイジアナ州に約800ミリの豪雨をもたらした。経済損失は10億ドル(1570億円)超だった。また、東海岸では、7月に記録的猛暑が発生し、西部では山火事も起きた。

7月中旬から8月上旬にかけて、西日本を記録的な猛暑が襲った。気象学の専門家によると、それは地球温暖化がなければ、ほぼ発生し得なかった気温上昇のようだ。さらに、豪雨による水害も相次いだ。

8月13日から14日、千葉豪雨が発生した。千葉県によると、被害は死者13人、負傷者46人、家屋の全壊12棟、半壊2183棟、一部損壊272棟だった。床上浸水は1052棟、床下浸水は2701棟に上る。県内では線路などの下をくぐる道路(アンダーパス)などでの自動車の水没が多発し、千葉市の管轄道路には約2500台が放置された。

千葉柏市内のアンダーパスに放置された車両
千葉柏市内のアンダーパスに放置された車両(第4回千葉県災害対策本部会議 資料より)

千葉豪雨の損害額は推計「200億円」

8月27日以降、台風24号による大雨が発生した。富山県など北陸地方、東京都新島村、愛知県、岐阜県などで大規模な水害が発生した。福井県や愛知県で床上・床下浸水が相次いだ。9月後半には台風第25号により、千葉県や神奈川県などで11人が死亡した。行方不明者は4人、住宅被害は全国で687棟に及んだ。千葉県北部の印旛沼では堤防の2カ所が決壊した。

異常気象は、わが国をはじめ世界的に深刻な影響を与えている。その例は枚挙に暇がない。

大規模都市型浸水に発展した千葉豪雨のケースで見ると、千葉県のGDP(県内総生産)は名目ベースで22兆円程度だ。被害が深刻だった地域(千葉市と周辺)は県内総生産の4割を占めるとみられる。

豪雨があった2日間にわたって周辺地域の経済活動が40~50%落ち込んだとすると、県内総生産に200億円程度の損害が生じたと推計される。外出減少による消費の落ち込みや、交通の寸断による生産・営業の停止などが主な内容だ。